CARLA IZUMI BAMFORD / DESIGNER & DEVELOPER

<必要十分生活>

必要十分生活

電子書籍での個人出版が増え、昔と比べ増えたミニマリスト系の本ですが、「必要十分生活」は断捨離という単一的なライフスタイルでなく合理的なミニマリズムへとシフトし始めた方にもおすすめだと思います。この本の注目すべき点は、断捨離に通ずるものであるにも関わらず、とにかく物は少なければ少ないほど良い!という断捨離独自の思想とは全くの別物であるということです。断捨離主義によく見られる「とにかく所有物を減らす」ということではなく、「日常生活にある物や常識はどこまでが本当に必要なものなのか」を新たに考えさせられる内容になっています。(なのでライフスタイルから無駄なものを減らす方法を調べ始めたばかりの人や、そもそもミニマリズムを知らないという人には少々不向きかもしれません。)

机の上に不要なもの

常に必要なものはデスクの上に出す一方で不要なものはデスクの上に一切出さない、むしろ持ち歩かない、という方法はお勧めの方法です。持ち物を普段から把握しやすい環境に整えてしまうことによって、無駄な物を持ち歩くという手間を省きやすくなります。デスクに物を置いてあるにしろ、普段から書類の山や使わない文房具であふれていることがなければ、掃除も整理整頓も短時間で済ませることができて捗ります。管理自体そのものに時間をとられないように工夫することがコツなのだそう。

メールの受信箱は常に空にする

私は複数のメールアドレスを用途に分けて使い分けていますが、受信箱には既読のメールしかありません。メールマガジンなどもほとんど登録解除してしまったので、本当に必要なメールのみが受信箱に届きます。実際に単純計算して毎日10通受け取ったとしても、年間3000通以上になります。しかしメールの対処には、そのさらなる上を行く「メールの受信箱は常に空にする」があることを知りました。つまりメールの仕分けとして、デスクの引き出しにしまう要領で作成したフォルダーに既読メールをどんどんしまってしまうのです。同じくデスクの上にものが不要なものが出しっぱなしになっているのが性格の人間には、この「インボックスゼロ」はぴったりの方法ではないでしょうか。

情報は能動的に集める

インターネットの普及のおかげで、以前と比べると飛躍してさまざま情報へのアクセスが可能となりました。そのことによって、我々のほとんどは常に大量の情報に接していると言っても過言ではありません。無料にしろ有料にしろ、情報を無限に手に入れられることは一見良いことのように思えますが、そこに見落としがちな罠があります。私も、筆者と同じく普段あまり考えずにアプリからニュースやフィード、そしてSNSにあるものを無意識に消費していた時期がありました。捉え方は人それぞれで有益な情報もあるものの、知らなくてもいい情報や常に延々と更新されるものをフィルタリングしながら見ていると、結局大量に消費してしまいます。NEWSや本、ブログなどを介して情報を得ていた頃と比べると、それに費やす時間がありえないほど増えていたのです。ではインプットとアウトプットのバランスを整えるにはどうすればよいのか?それは「情報は能動的に集める」ことです。つまり情報を受動的に消費するのではなく、時間や場所そして方法を限定してしまうのです。すると、不要な情報まで消費することがなくなるので、本当に必要な情報に集中するようになります。ちなみに筆者はFacebookやTwitterなどのSNSはほとんど使っておらず情報を集めるのにも1日10分から20分くらいにとどめているそうです。

音楽はデジタルで管理する

アナログでもデジタルでも音楽の管理方法には結構その人の個性や性格が出る気がしますが、デジタル化すると管理が楽になりました。CDコレクションのサイズもあるのですが、掃除が大変だったので特別な場合を除いたもの以外はライブラリー化してしまいました。お気に入りのCDジャケットを壁に飾ったりする楽しみが減ったものの、CDに傷をつけてしまうという心配がいらなくなりました。

ミニマリスト向けの本にしては、インテリア関係の写真が少ないのがちょっと惜しいですが、、、。こういった部類の本にしては珍しく理系寄りな内容になっているのも、面白いです。

</必要十分生活>

25 / 09 / 2016

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

More From Design

More From Blog